脱!公務員ブログ

元地方公務員(市役所職員)→商社系Sier→ベンチャーITコンサルの経歴を持つブログ運営者が、自身の体験を元に公務員の実態や役立つ知識や経験談、IT関連の技術的な情報、美味しいお店の情報、趣味(野球、音楽、ゲーム、麻雀)に関すること、私自身の波乱に満ちた人生経験について発信します。記事を読んだ後は少し知識が増えて、笑顔になれる(ネタ要素満載)、そんなブログですので是非お立ち寄り下さい♪

人生に影響を与えたネット上の出会いと別れの体験談

この記事は、私がネット上で出会い、信頼していた女性と死別した体験をまとめたものです。

亡くなる前に直接会うことはありませんでしたが、私の人生観に大きな影響を与えた忘れられない女性です。

私自身の心の整理のため、記事を投稿させていただきます。

人生に影響を与えたネット上の出会い

数年前になりますが、当時それなりに人気があったキングスレイドというスマホゲームのアプリをなんとなくインストールし、プレイしていました。

私は子供の時からゲームが好きで、新しいゲームを始めるとそれなりにやり込むところがあって、強いギルドに入りたいと考えていました。

しかし、始めて間もない初心者を受け入れてくれるギルドは少なく、ネット上でギルドメンバー募集を探したところ、初心者もオッケーな上位帯のランクのギルドを発見。

ギルドメンバーの募集条件は毎日コンテンツを消化すること、他のメンバーと円滑にコミュニケーション取れることで、ノルマ等はありませんでした。

今はサービス終了している「Lobi」というスマホゲーム用のソーシャルサービス上で、ギルドマスターに加入希望の連絡を行いました。

ギルドマスターとチャットしてみると、丁寧ながらも明るくフレンドリーな応対で、ゲームに対する意欲などをお話して、加入を認めてもらえることになりました。

ギルドマスターは女性で、常にゲーム上のランキング上位に入り込む強さを持っていて、それでいて初心者にも寛容でギルド内の雰囲気も良く、バランスの取れたギルド運営に好感を持ちました。

このギルドマスターが、私の人生観に大きな影響を与えた人物です。

この時はギルドマスターが抱えている個人的な事情について、全く想像していませんでした。

ギルド加入後の思い出

ゲームコンテンツに3人1組でチームを組んで、ボスを叩きに行くものがあり、私もほかのメンバーとチームを組むことに。

他のメンバーは一人が高校生の男の子、もう一人は社会人になりたての女の子でした。

何度もゲーム内でチャットなどをやり取りして仲良くなり、時には恋愛話の相談を受けることもありました。

高校生の男の子は時間を守れないことがあるものの、無邪気な性格で弟のように思えましたし、社会人になりたての女の子はモチベ低下したから辞めたい!的なことを定期的に発言する不安定な子でしたが、二人とも憎めないところがあって良かったです。

私は母親に精神的虐待を受けて育ったこともあり、普段の生活ではあまり感情を表に出さず、当時の妻にすら本心を明かさない性格でしたが、不思議とネット上だと本心が出せることが多く、ゲーム上の繋がりとはいえ心が休まる時間だったと今では思っています。

時々二人ともギルドの輪を乱す行動をしてしまうことがありましたが、何とかフォローして取り持っていたところ、ギルドマスターに感謝されました。

ギルドマスターは、私のことを縁の下の力持ち的存在として認識してくれていたようです。

ギルドマスターはこんなことを言っていました。

「所詮ゲームで顔の見えない付き合いだけど、人と人とのつながりを大切にしたい」

ベテランから初心者まで楽しめる合理的なギルド運営手法と誠実な人柄を持つギルドマスターを、一人の人間として意識し始めた瞬間でした。

発覚した悲しい真実

そうしてギルド加入してから1年が経過。

その当時私は離婚したこともあり、長らく抱えていた職場への不満や、これからの生き方について真剣に悩んでいる状況でした。

なんでそんな話になったのかは忘れてしまいましたが、ギルドマスターと個別チャットで私のプライベートの事情について相談することがありました。

離婚したこと。

職場のこと。

何が自分にとって幸せなのか、自分が何を望んでいるのかわからないということ。

そんな私に、ギルドマスターはこう言ってくれました。

「あなたは真っ直ぐで正直な人だと思う。私はあなたの人柄が好き。」

「人間は問題が起きた時に何が正しかったのか考えるけど、完璧な人間などいない。だから、自分らしく今までと同じようにやっていけばいいんですよ。」

「いいところも悪いところも含めて好きになってくれる人と関わっていけば大丈夫。人から好かれたいとか思わないで、自分を出して受け入れる人と付き合っていけばいい。」

「もっと自分らしく生きればいい」

私は、衝撃を受けました。

相手が望むことをしないと、自分は人に受け入れられることは無いと思っていたので。

それに、容姿や能力は称賛されても、誰も私の内面など好きになってくれる人間などいないと思っていました。

新しい視点をくれたギルドマスターに感謝を伝えたところ、さらに衝撃の事実が明らかになりました。

若干27歳で、元看護士でいくつも会社を経営していること。

癌のステージ4で、複数回手術を繰り返していること。

現在も抗がん剤を使用しているが、日本の医療ではもう助からないと判断されており、外国でオペをする予定であること。

心配する私に、ギルドマスターは明るく話します。

「私は病気程度では負けない。余命宣告されてるけど生きることを諦めてないし、後悔しないように遊びも仕事も妥協しないで全力でやってます!」

私は医療の知識は深くありませんが、状況的に助かる見込みが極めて低いことはわかっていました。

けれど、自分より年下の女性が、絶望的な状況に負けずに誇り高く生きる姿に感銘を受けました。

私はその時こう思いました。

自分よりはるかにつらい状況で生きてる人間がいるのに、自分は何をやっているのか?

こんなところで立ち止まっている場合ではないだろうと。

そして、長らく勤め上げた公務員という身分を捨て、転職を行うことを決意しました。

私「転職活動するので成功したら報告します!」

ギルマス「応援してます!私でよかったら困った時に相談にのりますね。」

それが、ギルマスとの最後のチャットでした。

ギルドマスターとの別れ

それから一か月が過ぎ、転職活動も大詰めとなったころ、ギルドマスターがしばらくゲームにログインしていない状況に気付きました。

治療が上手くいっていないのか、手術は行えたのか、それとももう・・・・

そんなことを考えていると、ギルドマスターのリア友からチャットが入りました。

ギルドマスターが亡くなったという悲しい連絡でした。

予見はしていたものの、いざその時を迎えると現実味がありません。

ただ、涙が止まりませんでした。

祖父母の葬式でも涙を流さない私が。

同僚が自殺しても少しも心が揺れない私が。

どうして自分が泣いているのか、全く理解できませんでした。

自分の心が見えない私は、気持ちを落ち着かせるために何故悲しんでいるのか頭で考えます。

しかし頭が上手く働きません。

思考が整理できないので、非合理的な感情が暴れだします。

「なぜ彼女が死ななければならない?」

「優秀で人の気持ちも思いやれる人間が、なぜ早く死ななければならないのか?」

「私はあの人から貰うばかりで、恩を返すことができなかった」

「数少ない心を許せる相手だったのに、どうしていなくなってしまうのか」

「もう二度と、あの人と言葉を交わすことはできないのか」

ぐるぐると駆け巡る思いに、私は単純な答えを見つけました。

私は彼女のことが好きで、信頼できる好きな人間を失ったことが悲しいのだと。

合理的で他人を駒のように扱い必要が無くなれば切り捨てる、そんな自分にも人を想う気持ちはあったのだということに気付きました。

そして自分の気持ちに気付いた私は、こう考えました。

自分ができることは、彼女に伝えてもらったことを忘れないで生きること、今やるべきことを果たすことだと。

その結果、悲しみを堪えて転職活動を行った私は、好条件の企業に転職することに成功しました。

その後

転職が成功して落ち着いた頃、彼女の墓参りをしたいなと思い、訃報を知らせてくれた方に連絡を取りました。

連絡がついて事情を伺ったところ、彼女の家族の事情で墓は作らずに納骨堂に納めるとのことでした。

訃報を知らせてくれた方が墓を管理すると申し出たところ、あなたを縛り付けてしまうから出来ないと言われたそうです。

墓参りができないことを認識した私は、亡くなった彼女に感謝している私の気持ちを彼女の親に伝えてもらうお願いをして連絡を終えました。

あとがき

彼女が生きていれば、もしかしたらリアルで会って色々話したりできたかもしれないな~と、未練がましいことを考えることが今でもあります。(美人で頭も回る女性は大好きです

でも、亡くなった人間は絶対に返ってこないし、もう会うことはできないんですよね。

自分が死んだら会えるなんてことも無いし、意識が無くなって存在が無くなるだけなので。

毎日生活してると忘れてしまいがちですが、彼女が言った「自分らしく生きればいい」ということを時々思い返すことがあります。

私は優秀な人間が好きで、他人を信じない、他者への気遣いより真実が大事、お世辞も言えないし、人の気持ちもわからないし、損得を考えた人付き合いしかしないし、女性は容姿で判断するし、他人に簡単に迎合しない、こんな不完全で未成熟な人格だけど。

聖人君子じゃない私は、あなたが言ったように自分らしく強く生きていきます。

な~んて、そんなこと言っても彼女には届かないし、伝わらないんですけどね。

ただの自己満足だけど、それでも言います。

まぐさん、本当にありがとね。

2024/2/25 追記

人生の目標として、株式会社を設立し独立することを決意しました。

今思えば、まぐさんが経営者をやっていて、まぐさんと死別したのも私がこうなるために必要な要素だったのかなと感じています。

あなたのような敏腕経営者にはほど遠いけど、できることから一歩ずつ、着実に進めています。

素敵な仲間たちにも出会えて、私は今本当に生きてきてよかったなと心から感じています。

私じゃなきゃダメだという女性にも出会えて、とても心強い人生の伴侶を得ることができました。

あなたに伝えたいことは山ほどあるのに、伝えられないことが悔しくてなりません。

私は私の道を行きます。

もし死後の世界というものがあるのなら、天国で私の生きざまがどうだったか、あなたの評論を聞かせてくださいね。

また、いつか。