この記事は、簿記2級の取得を考えている方向けの記事です。
私はエンジニアとして10年程度実務経験(経理の実務経験は無し)があります。
業務領域は異なるものの、未来を見据えて簿記2級を取得しました。
そんな私が、なぜ簿記2級を取ろうと思ったのか?
資格取得にあたり、どのように勉強をして試験対策を行ったか、資格取得により何が変わったのか、という点についてお話していきます。
※本記事は、書籍等のプロモーションを含んでいます。
なぜ簿記2級を取ろうと考えたか?
冒頭でお話しした通り、私はエンジニアであり経理関係の実務経験はありません。
そんな私が「簿記2級を取ろう!」と考えた理由は、将来独立して起業することを志しているからです。(株式会社の設立)
経営者なのに、会計知識ゼロなんてお話になりません。
経理担当や会計事務所に任せるにしても、簿記の知識が無いと適切な経営判断ができない、と私は考えました。
私と同じように起業を志す方(フリーランス含む)は、少しでも将来の夢が成功する確率を上げるために、最低限の知識として簿記2級は取得しておいて損はないと思います。
また、エンジニアの方にとっても、応用情報技術者試験のストラテジ分野で簿記2級の出題範囲が含まれた問題がありますので、応用情報技術者の取得を考えている場合もおススメです!
簿記2級取得後に感じるメリット
資格取得後に私が感じたメリットについて、記載します。
経営知識の向上
複式簿記のルールや、株式や資本金などの会社法関係の知識、債権債務、減価償却などの経営に役立つ知識が身につきました。
上記の知識はどこまでが損金(経費認定)算入できるのかの判断に役立つので、適切な節税にも繋がります。
逆に会計知識無しで経営者やフリーランスになるのは無謀と言わざるを得ません・・・
財務諸表の理解
企業の損益計算書や貸借対照表が理解でき、経営状況を正確に把握できるようになります。
これは、自分で経営する場合はもちろん、他社の状況を理解する上でも非常に役立ちます。
私の場合は投資も行っているため、上場企業の財務諸表を見て株の取引を行えるようになりました。
周囲の情報に流されずに正しく投資先を見極めるためにも、会計知識は必須ですね!
業界知識の向上
エンジニアの場合、他業種のクライアントと会話する際に会計知識の用語は頻出します。
特に会計ソフト絡みや、コンサル的な立ち位置で会話を行う場合、用語の意味が正しくわからないと正確な意思疎通が困難な状況になってしまいます。
クライアントと上質なコミュニケーションを行う上で、簿記2級の知識は持っておいて損はありません。
試験対策の勉強方法は?
私の場合は経理の実務経験もなく、簿記の知識はほぼゼロから始めたため、最初に簿記3級を取得しました。
簿記3級取得後に、簿記2級の試験対策を行い、無事に一発で合格することができました。
勉強方法
教科書的なテキストを読み込む→問題集を解いて知識を定着させる→模試を時間の許す限り解きまくる
といった、オーソドックスな手法で取り組みました。
簿記3級は正直なところとても簡単なので、テキスト1回読んで問題集を1周する程度で十分合格できます。
しかしながら簿記2級から一気に難易度が上がるため、テキストは2~3周しましたし、模試は全部で20回程度実施してようやく合格ラインの知識(70点で合格)を身に付けることができました・・・
模試を複数回こなすことにより、後半は80点~90点程度取れるようになりましたが、実際の試験では76点(結構危なかった!)だったため、模試で80点以上取れたら合格できると思います。
勉強に要した時間
簿記3級は10時間程度の学習時間で取得できました。(1週間で取得)
簿記2級は、模試が1回90分かかることもあり、概ね60時間~70時間程度の学習時間となりました。(2か月で取得)
それぞれの学習工程についての概算ですが、テキスト15時間、問題集20時間、模試30時間という結果でした。
簿記の知識が皆無の私で上記の時間だったため、実務経験者ならもっと短い時間で合格できると思います。
重点的に対策すべき論点
試験は全5問(各問20点)です。
そのうち商業簿記の設問が60点、工業簿記の設問が40点となっています。
配点は設問ごとに異なるため、配点の高い問題は絶対に外せません。
仕訳問題は商業簿記・工業簿記ともに必ず出題され各4点の配点のため、確実に仕留めたい問題です。
そのため、繰り返し仕訳問題を解いて、100%正答できる精度にしておくのが望ましいです。
また、工業簿記は慣れるまで大変ですが、出題パターンが決まっており得点源になりやすいのでこちらも重視すると良いでしょう。
難所と感じた論点
出題される論点のうち、特に私が難しいと感じたものを記載します。(今後個別解説記事を記載予定)
連結決算
連結決算とは、親会社と子会社を一緒にした財務諸表を作成するために必要な連結修正仕訳を行うものです。
これが非常に厄介でした。
親会社と子会社の取引をノーカンにする、保有株式の割合に応じて各取引を調整する、のれんを償却する、2年分修正仕訳を行うetc・・・
正しく答えるために必要な仕訳の回数が多すぎて、精密機械でないと必ずどこか1個はケアレスミスするレベルです。
そもそも親会社と子会社なんて関係ある人限られてるやん
アップストリームとダウンストリーム?ゲームの用語ですか?計算めんどくさいんでグループ会社内で取引しないでくだry
被支配株主持分?被支配株主に帰属する当期純利益?引っ掛け問題ですか?
連結とかしなくていいんで個別に決算してください本当にありがとうございました
少し心の声が漏れ出てしまいましたが、私は結局最後までこの設問に100%正答できたことはありませんでした。
私は最終的に学習を重ねて7割程度は得点できるようになりましたが、なかなか理解に苦しむ論点だと思いますので、重点的に学習するとよいです。
困ったことに出題頻度も高いので、絶対に対策しておくべきです。
差異分析
工業簿記の論点です。
製造業関係じゃないと工業簿記はイメージしずらいのに、そんな初心者を狩るように追い打ちをかけるような内容でした。
ざっくり言うとあらかじめ予定していた原価や経費からどれだけ乖離したか答えなさい、という内容です。
それぞれ予算差異、操業度差異、能率差異の3つが問われます。
私が特に嫌だったのが予算差異と操業度差異です。
能率差異は従事者が非効率または効率的に作業した場合の差異とイメージできますが、予算差異と操業度差異は概念的にイメージが湧かなくて、計算式が頭に入ってきませんでした。
最終的に私は公式を丸暗記することで対応しましたが、知識定着にかなりの時間を要しました・・・(テキスト4往復ぐらいした)
オススメの参考書は?
私が学習に使用した参考書をご紹介します。
参考に楽天の商品ページへのリンクも掲載しておりますので、「この商品良さそうだな!」と思ったら、書籍を購入して合格を目指しましょう!!
簿記の教科書 日商2級 商業簿記
商業簿記のテキストとして利用しました。
初心者にも概念がわかりやすいように解説がされており、デザイン性もよく、内容が頭に入ってきやすいです。
このシリーズの書籍全般に、別途Webで仕訳問題や模試ができる特典がついていますので非常にオススメです!
また、テキストから切り離して使える出題範囲を網羅した仕訳の資料も非常に魅力的です。
かなり売れ筋の商品とのことで購入を決めましたが、この本にしてよかったと思いました。
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簿記の教科書 日商2級 工業簿記
前述のシリーズの工業簿記の論点を解説しているテキストです。
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簿記の問題集 日商2級 商業簿記
前述のシリーズの問題集です。
こちらは問題集から切り離して使える答案用紙や、3回分の模試がついているので、試験対策に凄く有用です!
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簿記の問題集 日商2級 工業簿記
前述の問題集の工業簿記バージョンです。
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スッキリうかる 日商簿記2級 本試験予想問題集
こちらは試験対策の模試として利用しました。
予想問題が9回分も記載されており、特典としてネット試験も模擬プログラム5回分もついています!
私は最終試験対策として、試験1週間前にこの書籍の模試をただひたすら機械のように問いていました。(やっといて良かった・・・)
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出題範囲の個別解説記事
それぞれの出題範囲の設問について、解説した記事を記載します。
株式と資本金
www.withdrawal-civilservice.com
まとめ
簿記2級の取得の勉強方法やメリットについて、ご説明しましたがいかがだったでしょうか。
決して簡単に取得できる資格ではないですが、だからこそ有益で自分の糧になる資格だと私は思います。
簿記2級の取得を考えている方は、ぜひ本記事を参考に勉強してみてください!(合格したらコメントくださると励みになります♪)
ここまでお読みいただき、ありがとうございました!