本記事は地方公務員(市役所職員)として13年働いてきた経験を元に、勤めていると高確率で遭遇する事象について、あるあるネタとしてお話していきます。
笑いのネタとしても楽しめますし、公務員を目指している方が入庁後のイメージを持てる内容となっておりますので、力を抜いて仕事の合間に読んでいただいたり、暇つぶしに読んでもらえると嬉しいです。
- 1.たらい回し
- 2.起案書がスタンプラリー
- 3.他都市の動向を気にする
- 4.名物クレーマーの存在感
- 5.給料の高さと仕事量が反比例
- 6.縦割り組織
- 7.窓口部署の定時ダッシュ達成率の高さ
- 8.国からの無茶な通知や照会文書
- 9.出世したくない職員多数
- 10.文章の体裁に鬼のようにこだわる上司
- 11.病休→有給→病休→有給の無限コンボ
- まとめ
1.たらい回し
市役所あるあるの鉄板ネタです。
役所の窓口といえばこれと言っても過言ではありません。
A課に行く⇒担当じゃないのでと言われB課に回される⇒B課に行く⇒担当じゃないのでと言われC課に回される⇒C課に行く⇒それはA課が担当ですと言われる⇒振出しに戻る
上記のような悲しいループが発生します。
対応策としては、窓口に行く前にホームページ等で手続き出来る場所を確認しておくか、自分が知りたい情報を出来るだけ明確にすることです。
主な原因として、窓口対応する職員の経験や能力などにより、特定のワードを取り違えて解釈し、誤った案内をしてしまうことにより発生します。
また、勤労意欲の低い職員の場合、隙あらば仕事を減らそうという考えが根幹にありますので、少しでもあいまいな話し方をすると、「担当じゃない!」のパワーワードを繰り出され、たらい回しに合う確率が上昇しますので、くれぐれもご注意下さい。
そもそも役所の窓口は頻繁に行く場所では無いので、尋ねる側が要件を明確に理解しているケースは少ないため、来庁された市民にとって必要な情報を包括的に提供することが肝要なのですが、そこまで意識して窓口対応を行っている職員は少ないです。
一生懸命話を聞いて応対してくれる職員も存在はしているのですが・・・
2.起案書がスタンプラリー
起案書のスタンプラリー化は役所の風物詩です。
組織文化として、少しでも関連がある部署を決裁ルートに含めようとする傾向があるため、あの課も通さないとダメ、あの課も通さないとダメ・・・と、どんどん関連する部署が増加していきます。
その結果、決裁が終了した起案書にはおびただしい数の押印がなされており、コンプリート後のスタンプラリー用紙を彷彿とさせる状態となって戻ってくることになります。
時間がかかりますし、各部署の管理職にはたいてい門番(なかなか押印せず、内容の精査を複数回求めてくるタイプの人間)が存在しているため、非常に非効率です。
近年DXや脱ハンコなどが話題となっていますが、根本的に組織文化を見直さなければ各種手続き等のデジタル化実現は困難であると思います。
3.他都市の動向を気にする
市役所では、予算編成時や、ある事業を実施するかどうかの判断において、同規模の自治体の動向について必ず問われます。
場合によっては近隣市町村に文書で照会を行い情報収集します。
前例の無い新規事業だと、たいがい先陣を切りたがらないので、どこかの市町村が先頭を走ってくれるまで様子見する傾向が特に強いです。
逆に事業実施に否定的な考えを持っていたとしても、同規模の自治体がほとんど実施している場合は、政治的判断でやむなく実施することも多々あります。
新規事業について起案すると、上司や財政部署にかなりの確率で他都市の動向を聞かれるので、先回りして調べておくのが得策です。
4.名物クレーマーの存在感
私の自治体には、雪解け時期になると庁舎内に現れ、ほぼ毎日様々な部署の管理職にクレームをつけて回るという、有名なクレーマーが存在しました。
どこの自治体にもこの手のクレーマーは存在しているようです。
毎日のように顔を合わせるため、ほとんどの職員が顔と名前を知っていて知らない人はいないという人物でした。
その方は高齢の男性で、時には暴言を吐きすぎて警察に連行されることもありました。
管理職以上にしか噛みつかず、下っ端職員には優しく、お茶目な面もあるためなかなか憎めない人物でした。
5.給料の高さと仕事量が反比例
これは私のいた自治体での出来事ですが、若手で意欲のある職員が安い基本給でかなりの仕事量をこなし、その横で40代以上の出世コースから外れた職員が、若手の倍以上の給料を貰っているにも関わらずまったりとネットサーフィンをしている状況がありました。
そのネットサーフィン野郎は、定時帰り&有給フル消化はデフォルトで、地方公務員の闇を感じていました。
私も若かりし頃は、なぜ自分より役職も上で高い給料を貰っている人間が、こんなにも働かないのか理解に苦しみました。
周囲に働かない職員が存在する状況で、モチベーションを高く維持するのは非常に困難であるため、現役の若手職員には敬意を表します・・・
6.縦割り組織
地方公務員(市役所)は様々な分野の仕事があるため、どうしても縦割り組織になりがちです。
この縦割り組織ですが、たらい回しと根本的な要因は共通しています。
それは、全体を俯瞰して思考できる職員が少なく、自分の部署だけの最適化を追求する考えになってしまうからです。
そのため、新規事業が発生した際、どの部署が担当するかについて、激しい押し付け合いが発生します。
しかも、部署内でも誰が担当するかの押し付け合いが発生します。
私はそんな職員同士の生産性のない醜い争いを見て、自分が同レベルの存在になってしまわないように、周囲に感化されないようにしていました。
7.窓口部署の定時ダッシュ達成率の高さ
市役所の窓口部署は日中に市民と接する分、窓口の終了時間(=定時)とほぼ同時に蜘蛛の子を散らすように退庁していきます。
どのぐらいの速さかというと、定時後10分以内に執務室が真っ暗になるレベルです。
定時後も職場に残っていると、運悪く酔っぱらった住民からクレームの電話がかかってきたりするので、早く帰りたいという心理になるためです。
定時ダッシュ自体は批判されるものではないですが、あまりに早いのでよく訓練されているな~と心の中で感心していました。
8.国からの無茶な通知や照会文書
地方自治体には、国から現実的に達成することが困難な通知や、回答期限が無茶過ぎる照会が頻繁にやってきます。
国は地方自治体の現場や実態を知らないので、現実離れした内容の通知や、地方自治体にとって把握不可能なことを回答させる照会がたくさん飛んできます。
最近で言うと、ばら撒きと揶揄される給付金関係がその代表格です。
そんな国からの無茶振りを上手くいなすのも、地方公務員としての力量が問われる場面です。
9.出世したくない職員多数
公務員は責任を負いたくない人間が多い傾向があるため、出世して責任が大きくなることを拒絶する職員がいます。
職員間では、主査最強説が支持を得ているようです。
これは、主査は係長職と同じ給与体系なのに部下がいないため責任があまり無く、なおかつ時間外手当も発生するということが理由です。
適当にやって主査で終わるのが最高だ!とやる気のない職員は語っていました・・・
10.文章の体裁に鬼のようにこだわる上司
地方自治体は、自治体ごとに文書規程が定められているので仕方のない面もあるのですが、インデントや「てにをは」を鬼のようにチェックし、指摘してくる上司が多いです。
本質的に重要なことは、文書の内容だと思うのですが、内容はそっちのけで体裁や表現ばかり気にするので、仕事が進まないったらありゃしません。
外に出す文書ならともかく、内部文書に何をそんなにこだわってるの?って感じでした。
私はそんな公務員を見て、自ら仕事を増やし、非効率的な仕事の進め方を行った結果、部下が時間外勤務となってしまうことで税金を浪費している事実に気がついてほしいと思っていました。
11.病休→有給→病休→有給の無限コンボ
地方公務員は休暇制度がとても充実しています。
しかしながら、そんな充実した休暇制度を悪用して、「休めるだけ休むぜ!」という強い意志を持った悪い職員も一定数存在します。
まずは初手として病気休暇を取得(だいたいメンタルとかの理由です)し、休職寸前になったら有給を発動させます。
充実した休暇制度を使って小賢しい延命処置を繰り返し、働いてもいないのに給料を貪る輩が発生するわけです。
私のいた自治体にも、この無限コンボを使って長年不正に給料を受け取っている輩がいました。(最終的には免職になりましたが)
まとめ
地方公務員のあるあるネタについて解説しましたが、いかがだったでしょうか。
現役の地方公務員の方など、内容に共感頂けたらお気軽にコメント下さると嬉しいです。
他にも公務員の方は必見の記事がございますので、そちらもご一読ください。
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↓公務員に向いているMBTIについてまとめた記事です!