この記事では地方公務員(市役所)として13年間務めた経験が私が、市役所の激務部署をランキング形式でご紹介したいと思います。
公務員は縦割り組織なので、同じ組織内でも隣の課の実態がわからなかったり、自分の配属されている部署がどの程度の忙しさなのか、相対的に比較することが難しいですよね。
そんな方を対象に本記事では各部署の実態をまとめていますので、自分の配属先がどの程度のキツさなのか是非確認してみてくださいね!
ランキングは、高ランクが楽な部署、低ランクが激務部署という格付けでまとめています。
それでは発表します!
市役所の激務部署ランキング
Sランクの部署(天国、ほぼ残業無し)
出張所、清掃課、選挙管理事務局、監査委員事務局、会計課
Aランクの部署(概ね定時帰り可能)
出先機関全般、道路維持課、土木課、管理課、宅地開発課、建築課
契約課、都市計画課、水道系部署全般、保護課
Bランクの部署(比較的残業は少なめ)
環境課、生涯学習系部署、戸籍課、納税課
Cランクの部署(それなりに残業あり)
消費生活課、議会事務局、市民税課、資産税課、年金課、総務課、広報課、市民活動課
Dランクの部署(残業多め)
農業系部署、産業系部署、防災課、商業・観光部署全般、情報政策課、介護保険課、国保課、秘書課
Eランクの部署(36協定違反レベル)
学校教育系部署、障害福祉課、児童課
Fランクの部署(職場に住んでます)
財政課、人事課、企画課
各ランキング部署ごとの残業時間の目安一覧
各部署がどのぐらい激務なのかイメージしやすくするため、各ランキング部署の残業時間の目安を一覧にしました。
Sランクの部署の残業時間目安
- 月平均0~2時間程度
- 年間平均0~20時間程度
Aランクの部署の残業時間目安
- 月平均0~10時間程度
- 年間平均20~80時間程度
Bランクの部署の残業時間目安
- 月平均5~15時間程度
- 年間平均60~130時間程度
Cランクの部署の残業時間目安
- 月平均15~25時間程度
- 年間平均180~300時間程度
Dランクの部署の残業時間目安
- 月平均35~45時間程度
- 年間平均400~500時間程度
Eランクの部署の残業時間目安
- 月平均55~65時間程度
- 年間平均600~800時間程度
Fランクの部署の残業時間目安
- 月平均70~110時間程度
- 年間平均800~1,200時間程度
各ランキング部署の実態について解説
各ランキングの部署について、実態をお話ししていきます。
Sランクの部署の実態
【部署一覧】
出張所、清掃課、選挙管理事務局、監査委員事務局、会計課
こちらは天国部署の一覧です。残業とはほぼ無縁の生活を送れます。
特に出張所が神レベルで、業務時間が終わって窓口が閉まったら即帰宅なので、年間の残業時間が一桁なんてこともざらにあります。
監査委員や会計や内部事務なので、基本的に残業は無いです。
清掃部署も基本的には残業は少ないと思います。
ただし、残業が少なく出世とは無縁であるがゆえに上層部から高評価を得ている職員が配属されることはまずありません。
特に支所的な出先機関は、出世コースから外れた50代の退職間近な主査職が配属されるケースが多発しています。(どこの自治体でもよく見る光景です)
仕事は楽ですが、下記の記事で解説しているように実質左遷扱いとなっていることも珍しくない点に留意が必要です・・・
★参考記事リンク 左遷コースについて
www.withdrawal-civilservice.com
例外として選挙管理委員事務局は普段は何もすることが無いので平常時は天国状態ですが、選挙時期になると途端に地獄部署へ変貌するため、注意が必要です・・・
Aランクの部署の実態
【部署一覧】
出先機関全般、道路維持課、土木課、管理課、宅地開発課、建築課
契約課、都市計画課、水道系部署全般、保護課
ここに位置づけされている部署も、概ね定時帰りが可能な部署です。
水道や都市建設系などは工事の発注時期や、災害時以外の平時はとても落ち着いています。
また、出先機関もそこまで激務では無く、基本的には施設の利用時間に沿って帰宅することが可能でしょう。
保護課は基本定時帰り可能ですが、担当のケース(被保護者)が問題起こしたりなんかすると、余計な仕事が発生する場合もあります・・・
Aランクの部署は、Sランクほどではありませんが、残業が少なくワークライフバランスを保ちやすい部署といえるでしょう。
Bランクの部署の実態
【部署一覧】
環境課、生涯学習系部署、戸籍課、納税課、消費生活課
こちらの部署も比較的残業は少なめの部署です。
環境・消費生活・生涯学習系はそこまで激務ではないですし、戸籍や納税も基本窓口が終われば定時で帰宅可能です。
ただし、戸籍関係の部署はマイナンバー制度が始まってからは業務量が増えているため、マイナンバー制度の担当になった場合は少し忙しくなると思います。
納税の場合は、自治体により夜間督励を行っているところもあるので、その場合は多少残業が増えることになるでしょう。(毎週火曜日を夜間督励実施としているケースが多いです)
Bランク部署の残業時間の目安ですが、平均で月10時間程度です。
Bランク部署は全く残業がないわけではなく、少し時間外手当が貰えるので、経済的に考えてもちょうどいいバランスの部署といえるでしょう。
Cランクの部署の実態
【部署一覧】
議会事務局、市民税課、資産税課、年金課、総務課、広報課、市民活動課
このランクから、それなりに残業が発生してくるので、毎日定時帰りとはいかないでしょう。
議会事務局は議会開催中は議事録や各種調整で多忙になりますし、総務課は建物管理含め庁内全ての雑務をこなすため、忙しい状況になることが多いです。
市民税・資産税については、確定申告時期と当初賦課時期がハードです。
この時期はひと月で数十時間の残業を行うことになります。
ただし、課税通知書の発布以降は月次の更正だけになるので、夏から秋にかけてはまたーり部署へと変貌します。
特に市民税課は夏場になると休暇取り放題な状況になるため、他課の職員からサマータイムと揶揄されていることも・・・
年金課も自治体によっては戸籍や国保と同じ部署になっている場合もありますが、比較的多忙な部署です。
広報と市民活動については、市民との関わりが多く答えのない仕事が多いため、自分だけで時間をコントロールすることが難しいように見受けられます。
Cランク部署の残業時間の目安は、月20時間程度です。
Dランクの部署の実態
【部署一覧】
農業系部署、産業系部署、防災課、商業・観光部署全般、情報政策課、介護保険課、国保課、秘書課
このあたりのランクから、残業が常態化している部署になります。
商業・観光・産業系はイベントなどの関係から土日出勤も多々あり、出張も多く、外部団体との関わりも非常に多いことから、日中はバタバタ、定時後に内部事務に取り組んでいるといった状態になりやすいです。
防災も昔はそれほど忙しくありませんでしたが、東北大震災以降は防災意識が高まっているため、激務部署になってしまいました・・・
情報政策(情シス)については、ITインフラやシステムを運用しているため、夜間の作業が発生しがちです。ひとたび障害が発生してしまうと、朝帰りになることも多々あります。(筆者も前職で一年間に4回ほど朝帰りを経験しております・・・)
介護・国保についても、高齢化により単純に被保険者数が増加しており、マイナンバー制度の導入により余計な内部事務も増えていることから、年々業務量が多くなっている部署です。
秘書課については、首長の送迎や各イベントへの随行など、土日休みもあまりなく、朝は出勤時間より1時間以上早く出なければならないことがあるそうです。
お偉方の面倒を見るという勤務内容から、精神的に摩耗しやすい部署でもあります。
Dランク部署の残業時間の目安は、月40時間以上です。
Eランクの部署の実態
【部署一覧】
学校教育系部署、障害福祉課、児童課
ここからはプライベートが犠牲になるレベルの部署になります。
学校教育系部署は、学校の数だけ照会事務や取りまとめが発生したり、純粋に質量が多いことと、事務のやり方が効率化されていないことが原因で激務になっている状況が多いように見受けられます。
また、就学援助で税の知識を求められたり、施設管理的な仕事、苦情対処と仕事内容がバラエティに富んでいることも激務部署となっている要因です。
教員は教員でセキュリティ意識が希薄なので、定期的にセキュリティインシデントを起こしてくるのも悩ましいところ。
さらには面倒な保護者の相手もしないといけないなど、時間がとられる要素が満載です・・・
極めつけには、数年前からGIGAスクール構想という学校のIT設備を整備する国の事業が走っているのですが、そもそもIT知識に乏しい学校教育部署の人間がこの事業をスムーズに遂行できるはずもなく、悪戦苦闘しているようです。(ネットワークやPC全般の知識が必要)
障害福祉は一件一件の相談が質として重くなること、制度が非常に複雑で事務がとても煩雑になりやすいです。これにマイナンバー制度も加わっているので、まさに地獄の様相を呈しているといえます・・・
児童課は保育所入所などの事務が非常に煩雑で、入所募集時期がとても多忙になります。公立保育所の保育士さんもこの部署に所属することとなりますが、定時で帰宅できる状況ではなく、どこの保育所も残業が常態化しているようです。
ころころ変わる児童手当の算出方法も、実務を考えてないと思ってしまうレベルで複雑なので、制度の理解が難しいことも激務である要因の一つです。
Eランク部署の残業時間の目安は、月60時間以上です。
Fランクの部署の実態
【部署一覧】
財政課、人事課、企画課
職場に住んでいるレベルになってしまう部署です(^-^;
3つとも庁内の中枢部署であり、権力も集中し出世コースでもあるのですが、その分仕事は激務になります。
財政課や企画課については、予算時期はいつ家に帰ってるの?という状態ですし、人事も採用や人事異動時期は財政課同様の出勤状態となっています。
忙しい時期でなくても、残業時間のアベレージが数十時間となっている状況です。
土日出社も常態化、深夜営業も当たり前、そんな状況でも粉骨砕身できる職員だけが、限られた出世のポストを争っていけるのでしょうね・・・
ただし、このあたりの部署に常時配属されている職員はまちがいなく出世コースに乗っていますので、配属されている方は激務に耐えつつ頑張ってください!
※下のリンクの記事で上記について掘り下げて解説しています。
★参考記事リンク 優秀な職員が歩む人事異動のエリートコース
www.withdrawal-civilservice.com
Fランク部署の残業時間の目安は、月80時間以上です。
まとめ
地方公務員(市役所)の激務部署についてランキング形式でご紹介しましたがいかがだったでしょうか。
出世だけが幸せではありませんが、天国部署に配属されるということは期待されていないということですし、激務部署配属される理由は出世コースの裏返しだったりします。
地方公務員は自分で配属先を選べないのでモチベ維持が大変かと思いますが、今いる部署で与えられた仕事を着実にこなし、着実にステップアップしていただければと思います。
ここまでお読みいただきありがとうございました!
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