本記事は、公務員(13年間勤務)から民間企業に転職した私が考える公務員向きでは無い人の特徴と、その理由についてお話しします。
これから公務員になろうと思っている方、特に学生から公務員を目指している方には一度目を通して頂き、ご自身のマインドと照らし合わせていただければと思います。
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1.上昇志向が強い人
公務員の評価制度は年功序列であり、どれだけ仕事で成果を残しても、とても優秀であったとしても、ある一定の年齢にならなくては昇進することが出来ません。
一応評価制度的なものはあるのですが、私のいた自治体では名ばかりの制度で、昇進にも給与にも一切影響の無い、なんちゃって評価制度でした。
本質的に意味のない評価制度を行うため、複数回の面談や、目標設定、達成度について記載させられるため、職員間では不平不満が凄かったです。
私は有難いことに高評価を頂くことが多かったですが、給与にも昇進にも反映されないため、虚しさを感じていました・・・
自身の成果を正当に評価(特に金銭面で)してほしいという思いが強い方は、絶対に公務員にならない方がいいです。
また、別記事で詳しく記載していますが、仕事を真面目にやってもやらなくても大勢に影響がないという組織の構造が、多数の悲劇を生み出す原因にもなります・・・
www.withdrawal-civilservice.com
2.市場価値を上げたい人
公務員は毎年人事異動が行われ、配属先が変更になります。
その結果、自分の希望する部署に行けない、ルーチンワークがメインの窓口部署に回される、役所以外では役に立たない仕事(特に内部系の部署、総務や財政部門など)に従事することになり、気が付いたら時が過ぎ、価値のあるスキルが身につかないまま歳をとっていくこととなります。
私は若い時からこの構造に恐怖を覚え、独学でオフィスソフトの知識を身に着けたり、情報系の国家資格やベンダー資格を勉強して取得したり、様々なジャンルの本を図書館で借りて読破したりと、自己成長させる努力を自分なりに行ってきました。
そういった努力を行わず、漫然と日々の業務をこなすだけでは、あっという間に市場価値のない人間となり、選べる道が少なくなってしまいます。
長年公務員でいると自分で選択できる人生の幅が狭くなりますので、ただ安定を求めて公務員を目指すことはおススメしません。
3.とにかく稼ぎたい人
公務員は巷では安定している、高給取りなどと言われ羨ましがられることが多いですが、そんなに生涯年収は高くないです。
特に若い時の収入が低く、高卒はおろか、大卒新卒でも一人暮らしを行うには心もとない金額になります。(私の自治体で大卒新卒だと、諸手当含め手取りが15万程度でした・・・)
また、副業も原則禁止(不動産経営や株はOK)ですので、余った時間をお金に換えることも出来ません。
そのため、収入を増やすには時間外手当しかないのですが、この構造が非常に癌です。
- A.効率的に仕事を終わらせ、定時帰宅
- B.だらだらと勤務し、それなりに時間外を行う
上記の場合、Bの方が収入が増え、あまつさえは上司から「頑張っている」と評価されるという珍妙な現象が起きます。
公務員には明確な評価基準が無いため、「時間外を行う=仕事の意欲が高い」とみなされ、高評価になることが多いです。
一部では、数多くの仕事を抱え、時間内に処理しきれずやむを得ず時間外となっている職員も存在します。
しかしながら、本来は時間内に滞りなく業務を処理できている職員が優秀と評価されるべきであり、非常に歪な構造となっています。
4.公務員の仕事は楽だと思っている人
これも世間的にはよく聞く話ですね。
断言しますが、決して楽な仕事ばかりではありません。
具体的な例を挙げると、市民対応です。
特に徴収系の部署では、クレームが非常に多いです。
法律で規定されているため、柔軟な対応が出来ない結果となることがあり、それを市民の方に納得いただくことが非常に骨の折れる作業になります。(たまに法そのものが矛盾していることもありますが、矛盾した法も遵守しなければならない点は、公務員の悲しいところです・・・)
また、人格否定されることも多々あり、数時間に渡り苦情を聞かされ、「人の税金で暮らしているくせに」「俺を殺す気か」「市長に訴えてやる!」などなど、バリエーションに富んだ攻撃を受けることとなります。
民間企業であれば客を選べますが、公務員はそれが出来ません。
さらに管理職になると「議会対応」という名の非生産的な業務に従事することになります。
「答弁調整」(事前に議会で話す内容を、議員さんと調整します。出来レースです。)がメインになるのですが、こちらはいわゆる「てにをは」にこだわりぬき、土日出勤して一日中文章の内容を厳選しなくてはいけません。(答えが無い分、ポケモンの個体値厳選より大変です。)
その上管理職には時間外手当が支給されないため、金銭的に報われません。
明確な答えが無く、ゴールが見えにくいため、非常に苦痛な仕事です。
さらには人員削減により、年々一人あたりの業務量が増加傾向にあります。
私のいた自治体は、スクラップが非常に下手で、仕事が増える→取捨選択をしない→予算が足りなくなる→人員削減→職員が病むor退職する→人が足りなくなる→一人あたりの仕事が増え、業務が回らなくなるという負のスパイラルに陥っていました。
上記の課題は各自治体で多く発生しているようです。
5.自分の意見を仕事に反映させたい人
前述のとおり公務員には明確な評価基準がありません。
その結果、上司と仲良くして気に入られるか、周りと波風たてず上手くやっていけるかという点が、非常に重要視されます。
たとえ仕事のクオリティを上げようと思っての提案であっても、変化を嫌う公務員体質の壁に阻まれることとなり、周りから煙たがられることとなります。
上司の誤った指示の問題点を指摘すると、あっという間に「言うことを聞かない奴」と認定され、不人気部署への異動を命じられます。
私の元上司で非常に優秀で頭の回転が速く、効率よく仕事を片付けるタイプの個人的に尊敬していた職員がいました。
その人は権力を持った上司にも物怖じせず意見を言っていました。
その結果、不人気部署であるケースワーカー部署に異動させられました。
そんな理不尽な人事異動に対して私の心の中に強い憤りが生じ、組織への不信感を更に強めることとなりました。
仕事の成果など一ミリも評価せず、ただ自分の言うことを素直に聞き入れるかどうかだけで評価が決まるのだと、昔から持っていた疑念が確信に変わった瞬間でした。
私はこのような被害に合う前に転職に成功出来ましたが、そのまま組織に残っていたら同じ目にあっていたと思います。(私も割と意見をズバズバ言う方なので・・・)
上記の詳細については、下の記事で詳しくお話していますので、是非ご一読ください!
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まとめ
私の実体験を元に、公務員に向いていない人について記載しました。
この記事を読んで、公務員になろうと思っている方が今一度自分の選択が自分に合っているのか、考えるきっかけになればと思います。
公務員を目指すうえで、参考になる記事が他にもありますので、是非ご一読ください。
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