脱!公務員ブログ

元地方公務員(市役所職員)のSEが、自身の体験を元に公務員の実態や役立つ知識や経験談、IT関連の技術的な情報、美味しいお店の情報、趣味(野球、音楽、ゲーム、麻雀)に関すること、私自身の波乱に満ちた人生経験について発信します。記事を読んだ後は少し知識が増えて、笑顔になれる(ネタ要素満載)、そんなブログですので是非お立ち寄り下さい♪

【市役所】公務員の仕事は楽じゃない!ストレスが多い原因について元公務員が解説します

公務員は仕事が楽で高給取り、リストラも無く安定しているし羨ましい・・・

このような思考から、安易に就職先として公務員を志す人が多いと感じます。

しかしながら、そんなイメージは就職後に脆くも崩れ去ることになるでしょう。

本記事は、地方公務員(市役所職員)として13年間務めた経験のある筆者が、公務員の仕事がストレスフルな要素について解説する記事です。

就職先として地方公務員を選択しようと思っている場合、自分の理想とミスマッチが起きないよう、よく考えた上で決めた方がいいです。

本記事を読むことで、実際の公務員現場の生々しい実態を知ることができますので、今後の参考にしてください。

それでは公務員の仕事がストレスフルである要素について、お話ししていきます。

本質的に意味のないところに異様に細かさを求められる

公務員は形式的な仕事が非常に多いです。

本質として重要でない箇所であっても、徹底的に指摘されることが多いです。

以下はその一例です。

文章の一言一句にこだわりが強い

公務員は簡潔にわかりやすく物事を伝えることを目的とした文書を作成するため、公用文という独自の規定が定められています。

ですが、公用文ルールを守ることに始終してしまい、文章にこだわりを見せることが目的になってしまっている職員が多数存在します。

「てにをは」について異常にこだわりがあったり、意味は同じであっても特定の表現にこだわりを持った上司が多数存在し、何回も訂正を求められて仕事が進まない、という事象が頻発します。

自治体によって組織風土も違うので、一律にどの表現が良いと定義づけはできませんが、一言で言うとめんどくさいです。

一般の住民が見たら、

「どっちでもいいじゃんその表現!」

と突っ込まれること間違いなしなのですが、公務員の世界は一般の世界とはかけ離れたものなので、適当にやり過ごすこともできずストレスを感じる結果になります。

独特な言い回しの公用文

前述の通り公務員は公用文を用いて文章を作成する必要があります。

漢字やひらがな、送りがなの使い方まで一定のルールがあります。

これが一般的な表現とは異なる異質な部分が多く、初心者殺しの様相を呈しています。

★参考記事

www.withdrawal-civilservice.com

単年度会計がもたらす異次元の日付理論

公務員は単年度で予算が完結するように予算執行しないといけません。

その結果、実際のスケジュールと書類上の日付が大きく乖離することが多いです。

代表的な例で言うと、年度の単位は4/1~翌3/31ですが、4月以降の出納整理期間(前年度予算が執行できるタイミング、翌5/31まで)に予算を執行する場合、3/31までの日付に書類上は調整しないといけないものが多いです。(4月に月割賦課した税や保険料の調定など)

頭の中で書類上の時系列を整理し、規則に反しないよう日付の整合性を取る能力が求められます。

自然と生活していると身につくことのない能力ですので、これも初心者殺し要素であり、慣れない人がストレスを感じる要因となります。

しかも、ちょっと日付が前後した程度のミスであっても、内部監査などで鬼の首を取ったように指摘されることもあるので、脱力してげんなりする場面も多いでしょう。

年功序列の弊害で無能上司が多い

ずっと昔から公務員は年功序列により、経験年数で自動昇進する仕組みになっています。

その結果、管理職に適さない人間や、そもそも全然仕事できない人間が昇進してしまうケースが多数発生します。

この点について、不満を持っている公務員は非常に多いです。(特に若手)

責任感も無いし的外れな指示を出してくる上司の言うことを聞くだけでも腹が立つのに、その無能上司が自分の2倍~3倍程度の給料をもらっているとわかった時の絶望感はヤバいです。

上司でなくても高齢でろくにパソコンも使えないレベルの仕事のできない職員が、年収700万円以上となってしまうのが公務員の世界です。

薄給の若手職員からしたら、この状況でモチベーションが上がるわけがありません。

日々襲い来る住民の理不尽なクレーム

公務員は住民全員の相手をしないといけないため、民間企業と違って客を選ぶことができません。

ほとんどの住民は丁寧に接すれば問題は発生しますが、たまにどうしようもない住民のクレームの相手をしなければならないことがあります。

以下はほんの一例です。

  • 税金滞納者が、税金を払いたくないクレームを数時間話し続ける
  • 収入の無い人間が、逆恨み的に公務員のせいでこうなったと恨み節を述べてくる
  • 法律上対応できない事柄について、延々と何とかならないのか訴えてくる

これは実体験ですが、生活保護者がクレームを言ってくる場合もありました。

生活保護で税金を払ってない(むしろ他人の税金で生活してる)のに、

「お前らは税金泥棒だ!!」

「人の税金で暮らしやがって!!」

と発言された時は、耳を疑いました。(高度なギャグと受け止めることにしましたが)

このように理不尽なクレームを聞かされることにより、真に受けてしまうと多大なストレスを感じることとなります。

旧態依然とした組織体質

公務員の組織体質は、昭和の時代からほとんど変わっておらず、進歩が見られません。

仕事のやり方はアナログで、非効率・非合理的(コスト意識の欠如)なものが多いです。(このご時世に紙でしか申請を受け付けない自治体もたくさんあります)

また、営利を追求する仕事内容ではないため、非生産的な業務内容(ルーチンワーク)も多いです。

ニュースなどで公務員の残業の多さが取りざたされることがありますが、単に効率が悪いやり方(IT技術が普及する前のやり方)を踏襲していることも要因となっているケースがあります。

国や地方自治体が率先して効率の悪いやり方を続けている以上、日本に経済的な成長は見込めません。(だから円安になるし、民間企業も発展しない)

国や地方自治体が非効率な手続き方法を民間企業に強制している現状が、各企業の経営を圧迫する要因の一つであると断言できます。(お役所のせいで無駄なコストを生む)

近年公務員を辞める人の多さが目立っていますが、前述のような旧態依然とした組織体質が変わらない限り、退職者増加に歯止めをかけることはできないでしょう。

無駄に飲み会が多い

公務員は飲み会が非常に多いです。

職場の歓送迎会や忘年会だけならまだしも、下記のようなバラエティ豊かな理由で飲み会が開催されます。

  • 職員組合関係の飲み会
  • 同期の飲み会
  • 若手職員の飲み会
  • 勉強会と称したただの飲み会
  • 議員との飲み会
  • ステークホルダー(利害関係者)との飲み会
  • 人材交流と称した飲み会
  • 大きな業務がひと段落した後の打ち上げ的飲み会

飲み会好きの人ならいいですが、飲み会嫌いな人にとっては地獄の環境です。

断ることのできない人は、内心行きたくないと思いながらも参加してしまいますので、ストレスが溜まる要因となるでしょう。

仕事にスピード感が無い

公務員の仕事は法律上どうしてもスピード感がなくなります。

なにか新しいことをしようと思っても、基本的に1年前に予算要求しないといけないですし、議会の承認も必要です。(補正予算という年度途中で予算を増やす方法もありますが、気軽にはできません)

また、契約の手続きも内部的に色々とステップを踏まないといけない仕組みになっていますので、どうやってもスピードは遅くなります。

さらに細かいことにこだわる上司が組み合わさると、がんじがらめになって何一つ業務が進まないことも。

これでは公務員の仕事にやりがいを感じることはできないですし、ストレスが溜まってしまいます。

過度な前例踏襲主義

旧態依然とした組織体質のため、組織的に変化を嫌います。

年功序列で成果を上げなくても昇進するため、

「とりあえず前年と同じやり方でいいや」

と判断してしまう職員が多いです。

数年程度であれば前例踏襲も悪くないですが、それを毎年続けるとどうなるのでしょうか。

前例踏襲を続けた結果、知らず知らずのうちに、10数年以上も昔のやり方を続けているという化石的な業務となってしまうメカニズムが生まれます。

年功序列のせいでチャレンジする意欲も生まれにくい仕組みになっているので、やる気のある人にとってはストレスを感じる結果になります。

縦割り組織の弊害

公務員は仕事の領域が幅広いので、同じ組織内でも他の課が行っている業務がわからない状況になりがちです。

その結果、縦割り組織が誕生します。

さらには、

「うちの仕事じゃない!それは〇〇課の仕事だ!(ドヤァ)」

と豪語する悪い職員達により、住民をたらい回しにする現象や、仕事を押し付け合う現象が多数発生します。(押し付ける理由を考える能力だけは高いのが余計にたちが悪い)

責任回避を何より最優先し、後ろ向きな発想で仕事に取り組む人間に囲まれることにより、多大なストレスを感じることになります。

先送り思考による責任感のない職員

公務員は人事異動により、数年で別な課に異動します。

そうすると不真面目な職員は、

「どうせ異動するから難しい仕事はやらなくていいや」

「もう何年かしたらオレの担当じゃなくなるだろう」

このような思考により、先送り思考かつことなかれ主義の姿勢を貫く職員が生まれます。

その後長年放置されてきた業務が、先延ばしの限界を迎えて明るみになった時、運悪くその業務の担当になってしまった職員が貧乏くじを引かされる結果になります。

こうなると頑張って尻拭いをした人が割を食いますので、ストレスが溜まってしまいます。

優秀な人が損をする組織体質(悪平等

個人的にこの要素が一番ストレスが大きかったです。

無能も優秀な職員も待遇は同じ

前述の通り、公務員は年功序列による自動昇進のため、全く仕事のできない人でも給料は上がっていきます。

管理職ぐらいになると少し昇進のスピードに差が出てきますが、それでも優秀な職員からしたら納得のいかない状況だと感じます。

困難な仕事に立ち向かった人も、責任回避で人に仕事を押し付けた人も、待遇が全く変わらないのは大問題です。

私はこれについて早急に改善すべき点であると思っています。

病休や産休のカバーで疲弊

メンタル休職や産休で欠員が生じた時、決まって割を食うのは優秀な職員です。

人員体制上、欠員が補充できないことがあるのは理解できますが、毎度同じ人がカバーすることになり、しかも何の報酬も得られないのでは納得しようがありません。

せめて穴を開けた人のカバーをした場合、特別ボーナスが貰えるまたは昇進が早くなるなどの特典があればいいのですが、仕事をたくさんやったもん負けの現状ではストレスが溜まる一方でしょう。

パワハラ議員の対応で不眠不休

最近ニュースになったように、パワハラ議員に過度な対応を求められるケースがあります。

長谷川岳の例では、1年間に70回も北海道庁の幹部職員に対し、東京の自分の事務所に強制的に呼びつけるといった報道がありました。

前の日の夕方に道庁の幹部職員に電話して、

「明日の朝までに説明に来い!!」

と恫喝じみた発言を行うなど、正気の沙汰とは思えない行動ですね。

これは氷山の一角であり、報道されていないケースも多数あります。(実名は出せませんが、ある自治体の職員がこれよりひどい被害を受けていることを知っています。)

こんなパワハラ議員の相手をしないといけない公務員は、ストレス過多で大変な仕事であるといえるでしょう。

★参考記事リンク

「知れば知るほどひどい奴」北海道庁の幹部が “パワハラ議員” への説明で「東京出張」年70回の理不尽…議員辞職を求める声も(SmartFLASH) - Yahoo!ニュース

おわりに

公務員がストレスの多い仕事になる要素について、解説させていただきました。

これから公務員になろうと思っている方は、安易に安定しているからと公務員に飛びつかず、他の選択肢も視野に入れて職業を決めることをお勧めします。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

また、他にも色々公務員に関する情報を発信していますので、そちらの記事もご一読いただけますと幸いです。

↓公務員に向いているMBTIについてまとめた記事です!

www.withdrawal-civilservice.com

1年で異動する職員についての記事です。

www.withdrawal-civilservice.com

長年異動しない職員についての記事です。

www.withdrawal-civilservice.com

下の記事は、私が体験したモラハラ上司の笑える&胸糞エピソード集です♪

www.withdrawal-civilservice.com

市役所の恐ろしい職場について

www.withdrawal-civilservice.com

息抜きにあるあるネタをどうぞ♪

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