脱!公務員ブログ

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地方公務員(市役所職員)はブラックorホワイト?元公務員がブラックな要素を徹底解説!

「地方公務員は仕事が楽で安定している?」

「残業が多くてブラックな職場?」

一見すると楽で安定していると見られがちな地方公務員。

しかしながら、地方公務員はブラックと言われてしまう要素が多々あります

この記事は地方公務員(市役所職員)として13年間務めた経験のある筆者が、地方公務員のブラックな要素について解説する記事です。

記事を読むことで、地方公務員のブラック要素について知ることができます。

地方公務員への転職や、学校卒業後の就職先としてふさわしい職場かどうか、判断する一助になるかと思いますのでご一読ください。

それではお話しします。

地方公務員のブラックな要素

地方公務員のブラックな要素について、解説します。

サービス残業が多い

自治体により、サービス残業が横行している実態があります。

  • 時間外勤務を申請しづらい雰囲気がある
  • 課によって時間外の予算が決められており、予算超過が絶対に許されない
  • 慣例により、業務終了後の一定時間は時間外とみなさない

上記の要因により、泣く泣くサービス残業を強いられる公務員が非常に多いです。

私の知っている中では、20時までは時間外勤務として認めないというとんでもない風習がある町村があるそうです・・・

もちろん労基法違反なので、絶対に許してはいけない事例です。

法令遵守に起因する無茶な業務スケジュール

法令遵守といえば清廉潔白に聞こえますが、場合により無茶な業務スケジュールとなってしまいます。

たとえば賦課系の業務(税金や保険料を計算し、対象者に通知する)だと、「必ず〇日前までに課税される住民に通知しなければならない」と法律で定められています。

この場合、たとえ業務量が非常に多かったとしても、通知期限を守ることが第一優先となります。

通知期限を守らないと法令違反となってしまうため、法令遵守のために職員が多大な時間外勤務や休日出勤を行うこととなっても関係ありません

上記はほんの一例で、このようなシチュエーションは地方公務員には多数存在します。

ある種とてつもないブラック企業ともいえる要素です。

国の無茶振り

主に政治家が票稼ぎを目的とした、思い付きの非合理的な政策に振り回されることが多いです。

最近の例でいうと、非課税対象者への給付金です。

根本的に貧困が生じている原因にアプローチせず、場当たり的に現金を給付しているだけの幼稚な政策のおかげで、全国の地方公務員の方々は多大な労力を要しています。

一般の人はわからないと思いますが、給付金をばら撒くための経費ってかなり大きいです。

経費も含め、給付金を払うために莫大な税金が投入されていますので、このような政策もまた税金の無駄遣いなのです。

こんな無能政治家どもがいたら日本が経済成長できるわけない

ボランティアで休日がなくなる

地方公務員の性質上仕方のないことではありますが、地域貢献のボランティア活動への参加を強いられることが多いです。(強制のときもあれば、同調圧力的に断りにくいケースも)

ゴミ拾い、レクリエーション的なイベントの運営補助など、様々なボランティアを行うことになります。

その結果、貴重な土日の時間が削られてしまう結果になります・・・

災害時対応

運悪く災害に見舞われてしまった場合、24時間365日無休で復旧作業を行うこととなります・・・

過去の事例ですが、東日本大震災の時に現地の職員は自身も災害に見舞われているにもかかわらず、不眠不休で復旧作業を行っていました。

また、大規模な災害の場合は他自治体に救援を求めることが多く、災害を受けた自治体の職員でなくても、状況により災害地へ派遣されることがあります。

災害時はどんなブラック企業よりもブラックであると断言できます。

職員は減るが仕事は減らない

近年人口減により、人手不足が官民問わず叫ばれています。

例にもれず地方公務員のなり手も現状は減少傾向にあり、どこの自治体にも人材難が訪れています。

これに加え、地方自治体は体質的に仕事のスクラップが下手という要因が合わさることにより、職員は減っても仕事は減らないという地獄絵図の様相を呈することがままあります・・・

人的コスト・リソースを考慮しない自治体は数多くありますので、自治体職員はこのような要因により悪戦苦闘しているのが現状です。

若手は低賃金

高給取りと揶揄されることもある地方公務員ですが、若手はなかなかの低賃金です。

高卒や短大卒の場合、とてもじゃないですが一人暮らしをするような手取り額にはならないです・・・

★給与制度についての参考記事はこちら

www.withdrawal-civilservice.com

年功序列がゆえの理不尽さ

地方公務員は年功序列により、自動的に昇給・昇格します。

これは優秀な職員も無能な職員もみな等しく適用されるものであるため、全然仕事できないのに偉くなる職員、無能なのに給料が高い職員が発生する要因となります。

上記は組織として非常に不健全な状況であり、これでは若手のモチベーションが保たれるわけがありません。

年功序列はさしたる成果をあげなくても給料が上がっていきますので、これに味を占めて働かなくなる職員が生み出される温床となっています。

住民からの理不尽なクレーム

これもブラックな要素です。

電話対応や窓口対応の時に、心無い暴言を浴びせられることが多々あります。

例えば、

「人の税金で食ってるくせに!!」(by非課税の住民)

「公務員は給料もらい過ぎだ!俺なんか安い給料で働かされて税金も取られてなんも良いことない!」

「どうせ座ってるだけで給料もらえるんでしょ?」

などなど、多彩な攻撃を加えてくるクソ住民が存在します。

このようなクレームを真に受けてしまい、メンタルが病んでしまう職員も決して少なくありませんので、注意が必要です。

★公務員になると遭遇する理不尽なクレームの参考記事

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部署(仕事内容)を選べない

自治体職員は、自分の意志で配属先を選ぶことができません。

異動希望の提出はできますが、これはあくまで希望であり、汲み取ってもらえるかどうかはその自治体の状況によります。

目立つ成果をあげている優秀な職員であったり、特筆すべきスキルを持っていた場合は希望が叶うこともありますが、そうでない場合は全く希望とは異なる部署へ配属されてしまいます・・・

明確な評価指標がない

利益追求の民間とは異なり職務内容が公共サービスの提供であるがゆえに、明確な評価指標がありません。

他人と比べてどんなに仕事量をこなしていても、ノルマや目標値がないため論理的に証明することが困難です。(定量的な評価ができない)

言ってしまえば評価者(上司)のさじ加減一つでどうにでも評価されます。(嫌われたらジ・エンド)

評価者に気に入られるかどうかのみで評価が左右される、こんなもので評価を決められてしまう地方公務員はブラックであるといえるでしょう。

縦割り組織

特に大規模な自治体になればなるほど、縦割りの意識が強いです。

私が元いた自治体では新しい仕事が発生したら、

「それはA課の仕事だ」

「いやいやそれはB課の仕事だ」

「この部分がC課の担当分に該当するからC課の仕事だ」

などと、協力意識皆無の押し付け合いが日常茶飯事でした。

上記のような押し付け合いは見ていても非常に不快で見苦しいですし、モチベーションが著しく低下します。

村社会への適応

部署異動はありますが、基本的に同じ組織で長年同じメンツで仕事することになりますので、組織風土として閉鎖的なところがあります。

特に人口の少ない小規模な自治体では、この傾向は顕著です。

他の世界を知らないお山の大将のような人間もいますし、新入りに対して懐疑的な人間もいます。

同調圧力、他の職員のプライバシーの詮索など、いわゆる村社会的な要素が強いですので注意が必要です。

飲み会が多い

上記の要素と重なるところもありますが、様々なグルーピングによる飲み会が多いです。

課の歓送迎会や忘年会に加えて、組合の飲み会、若手の飲み会、部活(入ったら)の飲み会、同年代飲み会etc・・・

飲み会が嫌いな人にとっては、誘いが多すぎるのは辛いものです。

前述の村社会要素が強い場合は、飲み会にいかないとそれとなく疎外される場合もありますので、これまた注意が必要です。

メンタル休職者が多い

2022年度のデータですが、地方公務員のメンタル休職者は約43,000人発生しています。

割合で言うと、およそ1.4%となります。

前述の通り地方公務員には多種多様なブラック要素がありますので、心身に不調をきたしてしまうことも珍しくありません。

このように多数メンタル休職者が発生しているという事実は、地方公務員がブラックであることを裏付ける証拠となり得るものです。

ホワイトな要素

前述の通り多々ブラックな要素がある地方公務員ですが、ホワイトな要素もあります。

土日祝日が休み

公務員は原則土日と祝日が休みのため、仕事とプライベートの両立がしやすい環境です。

ただし、図書館や文化施設など、土日も営業している施設の部署等に配属された場合、シフト勤務で土日も出勤する場合があります。

業績によらず定期昇給する

ブラック要素の解説でも触れましたが、年功序列により自動的に昇給するため安定した給与アップが望めます。

良く捉えれば目立った成果を上げなくても経験年数に応じた基本給となりますので、その点は安心できます。

充実した休暇制度

公務員は年間20日の有給休暇に加え、多種多様な特別休暇(夏季休暇・介護休暇・育児休暇など)があります。

そのため、プライベートで急に休みを取らないといけない状況になっても困ることはありません。

★公務員の休暇制度の参考記事

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各種手当の充実

基本給以外に様々な手当があるため、手当を貰える状況の方は収入が多くなります。

以下は貰える手当の一例です。

  • 扶養手当
  • 住宅手当
  • 寒冷地手当
  • 地域手当(都市部のみ)

★給与制度についての参考記事はこちら

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福利厚生の充実

福利厚生として、労働組合で運営しているマイカー共済(自動車保険、民間の保険より掛け金が安い)や、普通の銀行より利率の良い共済貯金(利率1%程度)など、公務員のみ加入できるものがあります。

ほかには、対象となる宿泊施設でのみ利用できるクーポン券が年1万円ほど支給されます。(地域により金額は異なります)

また、その地方ならではの助成券(例:牛乳クーポン、商店街の商品券など)も貰えたりと、公務員ならではのお得要素があります。

田舎だと相対的に給料が高い

公務員の給料は民間の平均給与額を参考にして決定されます。

上記の民間の平均給与額は都市部の大企業のものも含まれているため、人口の少ない市町村では相対的に地域の民間企業勤めの平均年収より高くなる傾向があります

処分されない限り、クビにならない

公務員はリストラがありません。

自分から退職願を提出するか、事件を起こして懲戒免職(かなりヤバいことをやらないと懲戒免職にはならないです)にならない限り、職を失うことはありません。

民間企業と違う際立ったホワイト要素といえるでしょう。

まとめ

地方公務員にはブラックな要素とホワイトな要素、双方の要素がある

主なブラックな要素は、

  • サービス残業が多い
  • 国の無茶振りによる過密スケジュール
  • 職員は減るが仕事は減らない
  • 住民からの理不尽なクレーム
  • 縦割り組織

主なホワイトな要素は、

  • 年功序列による昇給
  • 休暇制度の充実
  • クビにならない

 

ここまでお読みいただきありがとうございました!

また、他にも色々公務員に関する情報を発信していますので、そちらの記事もご一読いただけますと幸いです。

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